10月22日(水) に、北海道の新ひだか町静内にて「ジェイエス・繁殖馬セール2008(秋)」が開催されます。これは文字通り、繁殖牝馬のセリ市であります。
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このセリ市、年を重ねるごとに上場頭数が増え、今回は200頭を超える繁殖牝馬のエントリーが予定されています。
牧場間のニーズが顕在化したことで、活発な取引が行われています。
例年は秋のこの時季に開催されるのですが、今年は繁殖シーズンを直前に控えた1月にも開催され、
売却率は約55%(44頭上場され24頭売買成立)という成績でした。
過去3年のデータを見てみますと、
2005年度⇒上場147頭 売却95頭/売却率64.63%
2006年度⇒上場144頭 売却95頭/65.97%
2007年度⇒上場180頭 売却86頭/47.78%
となっています。
この大きな数字を捉えて、
不況だ活況だとかという話もつまらないので、いくつかの視点を立てて見てみたいと思います。
下記に現した数字は、各年の上場馬あるプロフィールの内訳です。
2005年⇒44頭
2006年⇒46頭
2007年⇒58頭
2008年⇒66頭
と、年々増えてきている馬のタイプがあります。
さて、なんだと思われますか?
これは、海外で生産された繁殖牝馬の上場数であります。
全上場頭からすると、割合的に大幅に増えているという数字ではありませんが、
実数として増えてきている事は明らかです。
ちなみに、日本に繁殖牝馬として輸入されている馬の年度推移を見てみると、
1985年⇒6頭
1990年⇒205頭
1995年⇒237頭
2000年⇒141頭
2005年⇒123頭
ちなみに、競走馬として輸入された牝馬の年度推移は、
1985年⇒1頭
1990年⇒43頭
1995年⇒132頭
2000年⇒91頭
2005年⇒90頭
と、なります。
こうして見てみると、1990年あたりを境にしたここ20年で、
日本のサラブレッド生産界は大規模な繁殖牝馬の更新があったことが分かります。
そして、牧場も新たに輸入された期待の大きかった牝馬も、牧場のキャパシティの問題もあり、
手放すことを余儀なくされ、市場に流通し出したということが、上記の様々なデータから見て取れるのではないでしょうか。
ちなみに、欧米からサラブレッドを輸入しようとすると、税金や輸送費だけで500万円~1000万円近くの費用がかかります。
ですので、牧場にとっては大きな買い物となります。
ゆえに買手は、血統や馬体、競走成績や繁殖成績などを吟味した上で購買を決めるわけですから、
それなりのレベルの輸入されていると言えます。
そして、それらが昨今では日本国内の市場に流通し出しているわけです。
2001年に外国産馬のクラシック競走解放が行われたが、これには賛否両論あったし、
因果関係は分からないが、馬産地不況があったのも事実であります。
が、時を経て、
リーズナブルに海外の良血牝系を手に入れるチャンスが訪れていることには間違いありません。
また、かつての日本のブランド血統も、これらライバルが増えるたことで、
これもリーズナブルな価格で購入できるわけです。
日本競馬の海外への解放により、中小零細牧場は大きな痛手を負うことが予想されました。
確かに現実には時を同じくして、多くの中小零細牧場は経営が厳しくなったと言われてます。
が、一方で時を経て、中小零細の牧場でも世界に通じる血統馬を手に入れることができるようになったのも事実です。
現在、海外居住外国人に対する馬主資格についての議論がありますが、
仮にダーレーであり、クールモア勢が日本で馬主資格をとることで、どんなメリットがあるでしょうか。
多くの懸念通りに、競馬場では彼等の服色の馬が真っ先にゴールを駆け抜けるケースが出てくるでしょう。
ですが、彼等が持つ〝世界の至宝〟である良血馬たちをリーズナブルに手に入れるチャンスが増えることは間違いありません。
競馬を引退した牝馬をすべて繁殖牝馬にすることも、毎年生産する馬すべてを抱え込むこともおそらく無理でしょう。
必ず市場に出てくるわけです。
また欧米の最先端の技術を目の当たりにできるわけです。
目の前にある〝変化〟をどのように受け止め理解し、
来るべき時にむけて、何を準備するか。
今後は、牧場経営であり、サラブレッドビジネスにおいてまた違った先見性が要求されることになりそうです。
今回は、馬自体にフォーカスせず、
セリから見る日本競馬の今後について考察してみました。
どうやら、今後の牧場経営ならびに日本競馬の発展には、
〝経験と勘〟のみならず〝技術と知識〟が益々欠かせないものとなりそうです。




